1,501g~2,000g

【出産体験記・成長記録】34週0日 1956g/2225g MM双胎 超ハイリスク出産 菜花さんの場合

2022年に、34週0日で第2子、3子となる双子の女の子を出産しました。

長女は2225g、次女は1956gでした。

MM双胎という、双子の中でも1%の超ハイリスクな双子であったため、予定帝王切開での出産でした。

現在1歳11ヶ月になった娘たちは、身長は小さめですが、年子のお兄ちゃんに負けることなく元気に育っています。

ママのプロフィール

出産時期2022年1月
出産当時の年齢30歳
妊娠期間34週0日
少し小さい赤ちゃんを出産した原因MM 双胎*という超ハイリスク出産だったため
出産病院種別総合病院
単胎 or 多胎多胎(双子)
分娩方法帝王切開
分娩所要時間11分

*MM双胎:双子の分類の一つで、一絨毛膜一羊膜双胎のこと。同じ部屋に2人の赤ちゃんがおり、2人で1つの胎盤、絨毛膜、羊膜を共有している状態。双子の分類は他に、DD双胎(二絨毛膜二羊膜双胎)、MD双胎(一絨毛膜二羊膜双胎)がある。

お子様のプロフィール

現在の年齢1歳11ヶ月
性別
出生順位第二子/第三子
出生体重2225g/1956g
出生身長45cm/42.5cm
出生時の主な異常新生児呼吸障害/呼吸障害
NICU/GCU 入院あり
NICU/GCU 入院期間40日間
退院の条件妊娠週数換算で37週、体重2300gを超え、
1日8回自力で母乳orミルクを飲めること
退院後の栄養方法混合栄養
現在の主な異常長女(第二子)の発語が少なめ


出産体験記

超ハイリスク出産のMMツイン

双子の妊娠が分かると同時に、MMツイン(MM双胎)という、双子の中でも1番のハイリスク出産になることを告げられました。

双子妊娠のリスクに加え、TTTS*、臍帯相互巻絡(へその緒がお互いに絡まる)による突然死が起こりやすく、無事生まれる確率は50%と言われました。

すぐに1番大きい総合病院を紹介してもらい受診することに。

お腹の中にいるときは常に流産、死産と隣り合わせの状態にあるため、早産のリスクと照らし合わせながら、遅くとも34週には帝王切開を行うこと、26週から出産まで管理入院になることを告げられました。

安定期すぎから臍帯相互巻絡が起こり、常に不安に押しつぶされそうな毎日でしたが、長男のお世話があったことと、娘たち自体はとても元気だったことが救いでした。

*TTTS:双胎間輸血症候群。MM双胎は1つの胎盤を共有しているため、互いの血液が行ったり来たりしており、このバランスが崩れる(=TTTS)と、どちらの赤ちゃんにもさまざまな症状が生じ、命にかかわることがある。

26週からの管理入院

26週からは管理入院になりました。

コロナ禍のため面会はできず、出産までの2ヶ月間、長男と離れ離れになった事が1番寂しかったです。

入院してからは1週間に1回の検診と1日2回のNSTがあったため、家にいるときよりも不安に押しつぶされることはなかったです。

ただ臍帯相互巻絡が起きていたため、34週までもつかどうかの瀬戸際でした。

部屋はナースステーションに1番近い部屋になり、胎動の変化や、超音波検査などで何か異変があった場合はすぐに緊急帝王切開になると告げられていました。

そのため、常に胎動に気を配る毎日で、寝起きは飛び起きて胎動を確認する日々が続きました。

担当の助産師さん(勤続20年)から「ここに勤めてから、MMの妊婦さんは3人目だよ。けど前の2人も無事に産むことができたからゆっくり過ごしてね」と声をかけてもらい、少し気が楽になったことを覚えています。

頑張ってくれた娘たち

へその緒は相変わらず絡まっているものの、赤ちゃんも私の体も順調だったので、帝王切開の日にちを伸ばせないか相談する会議が開かれました。

しかし、やはり何かあったときのリスクが怖いということで34週での予定帝王切開が決定しました。

帝王切開は2回目だったので、手術に対する怖さはあまりありませんでしたが、生まれた時に産声が聞こえるのか、本当に大丈夫なのかと不安は拭えませんでした

そして、34週0日に帝王切開で2225gの長女、1956gの次女を出産しました。

2人とも大声で泣いてくれましたが、長女は途中で呼吸障害が出てしまい、すぐに酸素吸入が始まり、保育器に入りました。

次女は自発呼吸ができたこともあり、助産師さんが顔のそばまで連れてきて下さって、しっかり顔を見ることができました。

長女の事が心配でしたが、無事出産できたことに涙が止まりませんでした

赤ちゃんが入院中のママの体験談

管だらけの娘たち。なかなか抱っこできなかった長女

出産翌日にNICUに行くことができ、初めて娘たちに対面しました。

事前にNICUに入ることは決定しており、低出生体重児について色々勉強してきたつもりでしたが、いざ保育器に入ってたくさんの管に繋がれている我が子を見ると痛々しく、MMでなければもっとお腹にいることができたのに、早く産んでしまって申し訳ないという気持ちがわいてきました。

また、私が面会に行ったときにたまたま次女の点滴が漏れており、腕が腫れた姿や細い腕に針を刺される姿を目の当たりにしてしまい、痛々しかったです。

さらに、長女は呼吸障害で鼻に酸素マスクをつけていたため、すぐに抱っこすることができず申し訳なかったです。

ただ、娘たちの状態が気になって担当医や看護師に色々質問をしましたが、34週であること、体重もしっかりあることから「心配はいらないですよ」としか言ってもらえませんでした。

私が大袈裟すぎるのか、あまり聞くのは迷惑なのかとネガティブに考えてしまい、それからは不安な気持ちを吐露することができなくなってしまいました。

コットに移ることができ、一つ一つの反応もとても嬉しかった

次女は自発呼吸ができ、2日目くらいからはミルクを飲むこともできたため、3日目からコットに移ることができました。

長女も3日目には酸素マスクがはずれ、その日に抱っこすることができ、4日目にはコットに移ることができました。

痛々しかった管が外れたことと、2人とも抱っこができたことが嬉しかったです。

偶然かもしれませんが、抱っこする度に私の服をしっかり握る姿や、まだ飲めませんでしたがおっぱいに吸い付きながら私の目をじっーと見てくれたこと、ほっぺたを指で触るとぎゅっと握ってくれたことなど、一つ一つの反応がとても嬉しかったです。

また、2人とも2200gを超えたあたりから哺乳瓶や直母で飲むことができるようになりました。

育児中の体験談

NICUに対する反応

私だけが先に退院し、義母、実母、息子が家で迎えてくれました。

写真を見せながら娘たちの様子を伝えると、義母が何気なく「保育器に入って管に繋がれてかわいそうね」と呟きました。

それを聞いて頭が真っ白になってしまいました。

やっぱり私は娘たちに可哀想なことをしてしまったのかと感じました。

また、娘たちが退院してからは年子のお兄ちゃんも含めた3人の育児が始まり、毎日が戦争でした。

直母がうまくできず、育児の合間に毎日搾乳をしていたため、寝る時間がほとんど取れず、ミルクにしてしまおうかと思ったこともありました。

しかし、入院中に次女がミルクの消化不良で体重が増えなかったこともあり、消化のいい母乳を飲ませたいと自分を追い込んでしまい、睡眠不足の日々が続きました。

そんな中、出産を報告した人からは「NICUに入ったの?」と聞かれることが多くなり、一通り説明をしましたが、あまり理解してもらえませんでした。

「もう少しお腹に入れておけなかったの?」と言われることもあり悲しかったです。

少しずつ成長してくれる娘たち

ありがたいことに娘たちの発達は順調で、長女は出生月齢、次女は修正月齢のペースで成長してくれました。

3ヶ月ごろから、2人とも身長、体重が成長曲線の1番下に入ることができました。

ずりばいなどで動けるようになると、お互いの存在が気になるのか、お互い顔をぺちぺちと叩いたり、じゃれあったりする姿も見られるようになり、とても幸せな気持ちになりました。

そして、1歳半には2人とも発達は心配ないと主治医から太鼓判を押してもらえました。

月に一度のシナジス(RSウイルス予防接種)外来は大変でしたが、その度に身長や体重を測ってもらうことができ、また、不安なことを主治医に相談することもできたため、とても心強かったです。


子どもの成長・発達に関する情報(第三子:次女)

生後5ヶ月(修正4ヶ月):ほぼ同時に寝返りができるように

体重5340g
身長58.7cm
栄養方法混合栄養

生後5ヶ月で長女と次女がほぼ同時に寝返りができるようになりました。

寝返りがえりがなかなかできなかったため、寝返りしてしばらくすると泣いてしまい、ちょこちょこ戻すのが大変でした。

また、寝返りをすると同時に手足をバタバタと動かすようになり、なぜか後ろにずりばいするように。

途中で壁に行ってしまい、動けなくなると大泣きしたりソファの下に足がハマったりしてしまうのも大変でした。

次女は、寝返りまでは長女と同じ発達でしたが、なぜかそのあとは発達が長女より2ヶ月遅れるように。

心配で1度主治医に相談しましたが、本人のやる気の問題と言われ、特に引っかかることはありませんでした。

1歳3ヶ月:次女も歩くように

体重8750g
身長71cm
栄養方法幼児食

次女は長女から3ヶ月遅れでやっと歩くことができました

長女はスタスタ歩くのに、なかなか歩き出さない次女に心配していたので、歩いたときはとても嬉しかったです。

一方で次女の言葉の発達は長女より早く、1歳すぎに「ママ」が言えるようになり、「あけて」「かして」「ちょうだい」の言葉もすぐに言えるようになりました。

少しずつ言葉が増えていき、舌っ足らずに喋る姿がとても可愛かったです。

また、音楽が大好きでYouTubeで好きな曲がかかると口ずさんだり、曲に合わせて合いの手やダンスをしたりするようになりました。

1歳を過ぎた頃から定期検診も半年に1回になり、このまま順調であれば3歳で終わりにしましょうと言われほっとしたのを覚えています。

1歳11ヶ月:自分でやりたがることが増えた

体重10.6kg
身長約80cm
栄養方法幼児食

自分でカトラリーを使ってご飯が食べられるようになりました。

なんでもやりたい欲が出てきて、家事の簡単な手伝いや着替え、食事などをしたがることも多くなりました。

イヤイヤ期にも入り、対応を間違うと「いやァー!」「ぎゃー!」となることも多く、少し疲れることもあるのですが、これも正常発達の一部だと自分を納得させて対応しています。

お子さんへのメッセージ

たくさんのリスクを抱えながらも無事に生まれてきてくれて本当にありがとう

喧嘩もするけどお兄ちゃんやお互いのことが大好きで、3人ニコニコはしゃいでる姿を見るとあなた達のママになれて良かったと幸せな気持ちになります。

小さく早く生まれちゃったけど、そんなこと感じさせないくらい元気いっぱい、周りをたくさん笑顔にしてくれるあなた達が大好きです。

これからも家族仲良く、楽しい思い出をたくさん作っていこうね。

少し小さい赤ちゃんを生んだママへ、一言メッセージ

少しマイナーな妊娠と出産なので、お役に立てる体験談が書けたかどうか分かりませんが、少しでも不安に思っている方々のお役に立てれば幸いです。

小さく早く産んでしまった当初は娘たちに申し訳なく、毎日ごめんねの気持ちでいっぱいでした。

娘たちの発達が心配で、「34週 出産 後遺症」を検索する毎日でした。

けど、その子のペースではありますが、子供は必ず成長します。

大丈夫です。

なので、良かったら1度スマホを置いて目の前の子どもを抱っこしてあげてください。

たくさんたくさん関わってあげて下さい。

お子さんの成長を家族みんなで見守ってあげてください。

成長を見逃さないために。

これは昔の自分にも伝えたかったことです。

娘たちの姿、私の体験が少しでも皆さんの励みになれば幸いです。


*本記事は、福井県ワクワクチャレンジコンテストによる支援金をもとに作成されています