35週0日 2181g 切迫早産・常位胎盤早期剥離・子宮破裂 wさんの場合

プロフィール

第三子を常位胎盤早期剥離、子宮破裂のため、35週に超緊急帝王切開で出産しました。

重症新生児仮死で5分以上蘇生したのち、生き返ってくれました。

脳内出血があり、歩行が難しいかもしれないと言われていましたが、出血の影響もなくなり、現在はとっても元気に四輪車を乗り回しています。   

ママのプロフィール

出産時期2021年12月
出産当時の年齢32歳
妊娠期間35週0日
少し小さい赤ちゃんを出産した原因切迫早産、常位胎盤早期剥離**、子宮破裂
出産病院種別総合病院
単胎or多胎単胎
分娩方法超緊急帝王切開*
分娩所要時間不明

*超緊急帝王切開とは:同意書や術前検査などを省いてでも直ちに手術を開始し、一刻も早く(目安は30分以内)胎児を娩出する帝王切開術

**常位胎盤早期剥離とは:赤ちゃんがお腹にいる状態で胎盤がはがれてしまうこと。母子ともに命にかかわるケースもある。

お子様のプロフィール

現在の年齢2歳0ヶ月
性別
出生順位第三子
出生体重2181g
出生身長45cm
出生時の主な異常新生児仮死、呼吸障害、脳内出血 低体温、低酸素、黄疸など      
NICU/GCU入院あり
NICU/GCU入院期間1ヶ月半
退院時の赤ちゃんの状態心配していた脳の出血も奇跡的になくなり、通常の赤ちゃんと同じように退院しました
直母でも飲むことができました
退院後の栄養方法混合栄養
現在の主な異常風邪をこじらせて入院することが多いので、喘息治療を試しています
発達フォローは順調で、6歳まで半年に一度通う予定です
また、大腿骨が未熟で歩行ができないと言われていましたが、今は小走りしています

出産体験記

2歳差姉妹の育児をしながらの妊娠生活

第一子は妊娠高血圧症候群のため緊急帝王切開で出産し、第二子は何事もないまま予定帝王切開で出産しました。

もともとお腹が張りやすいほうだと思っていましたが、今回は2歳差姉妹の育児をしながらの妊娠生活となり、動かざるを得ない日々。

ただ、極力動かなくていいように周りの人が気にかけてくれて、姉妹の抱っこなどをしてもらうこともありました。

また、毎回のことながら自身の体重の増え幅は少なく、産前から出産までの体重増加はトータルで+5.6キロほど。

血圧にも気をつけ、中期からは自宅で血圧測定をして備えていましたが、正常値で、妊婦健診も順調でした。

お腹は目立つ方で、それが愛おしく、第三子も順調に出産が迎えられそうだと、誕生を心待ちにしていました。

34週で切迫早産のため入院

後期に入ると、お腹が張り、立ち止まって張りがおさまるのを待つようなことがときどきありました。

33週6日の夜には張りと痛みが増し、陣痛アプリで計測すると痛みの間隔も狭かったため、日付が変わったころに救急外来に電話して受診することに。

移動中もシートにしがみつき、痛みに耐えなければならないほどでした。

病院に着いてから診察を受けると、赤ちゃんの心音は落ちていませんでしたが、切迫早産ということで、入院してウテメリン(子宮収縮抑制剤)を投与することが決まりました。

娘たちに申し訳ない気持ちと、赤ちゃんが心配なことで、気づけばずっと泣いていました。

34週6日に超緊急帝王切開で出産

当初は37週1日に帝王切開で出産する予定でしたが、入院した後に少し早めることになり、36週後半頃に出産することになっていました。

ただ、入院中はお腹の張りと硬さ、痛みがひどく、点滴の効き目も感じられませんでした。

赤ちゃんの心音は落ちておらず、切迫早産のために痛みを感じているとのことでしたが、34週6日に、こういった事情も考慮して36週前半頃に出産になるという話がありました。

しかし、その日にまた激しい痛みが頻繁に起こるようになりました。

そして数時間後、お腹が熱くて痛くて、風船のように膨らむ感覚と共に体が浮かんだような感じがしました。

「私、死んでいるんだ…赤ちゃんだけは助けないと」と思い、ナースコールを押したことを覚えています。

記憶はあいまいですが、スタッフの方が「子宮が破裂しているかも」と話す声が聞こえました。

母子共に危険な状態だったため、夫の到着を待たずに超緊急帝王切開となりました。

仮死状態で生まれ、5分以上の蘇生で生き返った息子

産声を上げることのない我が子を見るのも触れるのもためらいがあり、一瞬触れた後はよくわからない感情でいっぱいでした。

常位胎盤早期剥離だったようで、「赤ちゃんは今すごく苦しい状態」と言われ、現場はバタバタ。

明らかにおかしな様子だと察しました。

息子はそのとき仮死状態でしたが、5分以上蘇生していただき、6分目に大きな深呼吸をして生き返ってくれたそうです。

その後、オペ室を出て夫を見つけたとき、自分が生きていられたんだと我に返ったのと同時に、怖い・不安・心配の気持ちと、夫に何と言えばよいかわからず「ごめんね」と泣いたことを、鮮明に覚えています。

また、出産から3時間ほど経った後、子宮が破裂していたことを正式に知らされました。

自分の子宮はどこへ行ったのかが気になりましたが、それよりも赤ちゃんが今無事かどうかが気がかりで、自分のことは考えられませんでした。

子宮破裂については、産後も1年ごとに主治医による検査を受けています。

産後のトラブルはほぼないはずだと聞いていますが、丁寧に見ていただいており、今のところ問題はありません。

赤ちゃんが入院中のママの体験談

泣き声を聞きたい、抱きたい

出産翌日、なんとしても生きている息子に会いたいとNICUに向かいました。

最初は先生から「まずは48時間…」と言われ、こんな小さな子に時間を告げられる悲しみと申し訳なさで苦しかったです。

我が子は35週で生まれ、他の赤ちゃんよりも大きいのに、たくさんの点滴と管に繋がれていました。

それを見て、なぜ私が…なぜこの週数で…と思いました。

48時間の壁を乗り越えた後もなかなか呼吸器が外れず、とにかく泣き声を早く聞きたいと思っていました。

しばらくして、口の管が外れて泣けるようになりましたが、完全に管が外れたのは生後1ヶ月と1週間のときで、呼吸が安定するまで保育器から出られず、裸ん坊状態が長かったです。

また、泣くと保育器の中でテディベアのようにお座りし、擬似抱っこのような状態で支えていただいているのを見たときは、自分が温めるように抱きあげて泣き止ませてあげたかったです。

病院の方からの言葉

48時間の壁を越えても保育器前で涙する私に、病院の方が「本当に寝顔が可愛いですよね」と笑顔で伝えてくれました。

自責や不安だらけの私に子どものかわいさを気づかせてくれたことや、少しの変化を喜んでくださることが、前向きになれるきっかけでした。

また、息子に触れたとき、酸素の値が落ち着く瞬間があり、「さすがママ」と母親であることも認めてくれました。

そして、触れると呼吸が安定し、安心することを伝えてくれる息子が愛おしく嬉しかったです。           

管だらけの我が子に「かわいい」と愛情を持って伝えてくださるたくさんの母たち(看護師さん)がいたため、安心して預けて次の面会まで過ごすことができました。

病院の方には感謝しかないです。

育児中の体験談

体調管理に苦戦

少し小さく生まれ、回復までにもたくさんの壁があり、同じ週数の子と比べると入院が長かったこと、さらにはコロナ禍だったことなどがあり、退院後はなるべく外出を控え、体調管理に努めました。

いろいろな場所でさまざまな経験をすることで子どもの免疫力や抵抗力がつくことは承知していますが、早産児は重症化するリスクもあるため、そのリスクを回避する選択をしました。

さらに、息子が1歳未満の時は、かかりつけ医を受診すると、NICUでの呼吸管理の音や自分が酸素マスクをされたことが蘇ってきて怖くなってしまったため、余計気をつけたいという気持ちでいました。

上の姉妹はお出かけが楽しい時期で、もともとお出かけが大好きだった夫婦でしたが、お家でいかに楽しく家族で遊べるかを考えて過ごしていました。

ただ、姉妹の気持ちが満たされているのかが心配になり、心苦しくなることもよくありました。

また、どれだけ気をつけていても、誰か1人のせきや鼻水が始まると、息子が1番ひどくなってしまい、やるせない気持ちになっていました。

母としてできることをたくさんしてあげたいと、現在もそれぞれの子どもに最大限のことをしているつもりです。

主治医の言葉に気持ちが明るくなった

NICUとGCUの退院が決まるも、まだ不安が残る私に、主治医の先生は「大丈夫。こんなにも強い子なんだから。育児を楽しんで」と言ってくれました。

産まれた瞬間からたくさんの人に支えられ、その力が息子の頑張る糧となり、息子はたくさんの奇跡を見せ続けてくれて、今も力強く生きています。

心配事もあるけれど、それよりも目の前の子どもの”今”を思い切り認めて、これからは家族で楽しまないと!と、気持ちがパッと明るくなりました。

子どもの成長・発達に関する情報

9ヶ月(修正8ヶ月):自力で立つことができたものの、初めて入院することに

体重7.5kg
身長67cm
栄養方法混合栄養、離乳食中期

4ヶ月で寝返りをし、9ヶ月には自力で立つことができ、身体の成長発達は問題なし。

離乳食は7ヶ月から開始し、カルシウムや鉄など、息子によい栄養素を意識してメニューを考えていました。

GCUの頃から脳によいと言われて飲んでいたフェロミア(鉄剤)も続けていました。

ただ、生後9ヶ月頃に初めて入院し、呼吸器系が弱いと言われたため、パルスオキシメーターを購入し、サチュレーション(酸素飽和度)を計測して入院の目安を確認するようにしていました。

1歳8ヶ月(修正1歳7ヶ月):脳の出血の再検査は問題なし

体重9.5kg
身長81cm
栄養方法普通食

常位胎盤早期剝離による代償の一つが脳の出血でした。

さらに、大腿骨が未熟で今後歩行が難しいかもしれないと言われ、自分の体から生まれた子への責任感に押しつぶされそうになりました。

しかし、退院前のMRIでは出血が見られず、1歳半以降で行った再検査でも、結果は良好。

出産当時のことや、修正1歳で歩行できたことへの感謝や、本人の頑張りを思い、検査へ向かう息子を涙で見送りました。

病院の方には本当にすごいと言われました。

大腿骨もゆっくりのペースではありますが、レントゲンで見ると徐々に濃くなってきており、検査は1年に1度の間隔になりました。

2歳(修正1歳11ヶ月):順調に成長

体重9.8kg
身長81.5cm
栄養方法普通食

ときどき肺炎や気管支炎で入院することがありますが、意思疎通や成長発達などで大きな問題はなく、順調に成長しています。

歌ったり走ったりはもちろん、一丁前に寝転んで嫌だと教えてくれたり、ときには優しくなでてくれたりと、気持ちもしっかり育っています。

信頼できる出生病院の皆様に、入院やフォローを通してあたたかく見守り続けていただけることに感謝しています。

お子さんへのメッセージ

奇跡を信じ願えばそれが叶うということ

日々の当たり前は奇跡の連続で起こっていること

幸せや命を教えてくれること 

そして、今ここに生きていてくれること

たくさんたくさん

ありがとう

少し小さい赤ちゃんを生んだママへ、一言メッセージ

目の前の子どもの“今”を見て、当時の自分に「大丈夫だよ」と声をかけたくなる、そんな日が絶対に来ます。

それぞれの成長発達があるように、ママにもいろいろな気持ちがあって良いです!

自分を母に選んで生まれてきてくれた可愛い我が子と楽しく過ごすのが一番です。